介護離職対策 特養増設
安倍首相は、公約に掲げた「介護離職ゼロ」の実現に向けて、特養の大幅な整備に乗り出す方針を固めました。
これまで進めてきた施設介護の縮小、在宅介護の推進といった方針から一転のように思われますが、要介護3以上の自宅待機者をゼロにするというもので、今年の4月の介護保険法改正による特養入所資格が要介護3以上という変更に沿うものです。重度者を施設で軽度者を在宅でというのは、現実の介護者の負担から見れば当然といえます。24時間目を離せない被介護者の場合、仕事をしながら在宅での介護は困難です。
施設から在宅へといわれた時には、重度者が施設から在宅へ戻ってくるいう噂が立ち現在52万人といわれる自宅待機者は一体どうなるのかと、政府は介護の現状を見ていないと憤りを感じました。
今回の特養の整備強化はその現実に応ずるものだと思いますが、そもそも社会保障費の削減を目的とした在宅移行であったわけですから、その財源の問題や介護職員確保の問題が残ります。財源についてはいくつかの案が検討されているようですが、人材確保については全く触れられていません。
25年に30万人不足するといわれている介護職員の教育育成、処遇改善、地位向上を官民挙げて取り組む必要に迫られています。